倫理リーダーを育てる(24)◉陥りやすい要因

#24

5つのマイナス要因

「この状況で自分はどのように扱われたいか?」を常に問うことが、倫理の黄金律である。と、J.C.MAXWELLは彼の著書「リーダーに求められる倫理の基礎」を通して表しています。

でも実際のところ、人が倫理的な一線を越えてしまうことは数多くあります。ではなぜそうなってしまうのか?

それは、多くの人が自分の基準を見失っているからではないでしょうか(以下はジョセフソン研究所が表す基準の例です)

自己利益の定義基準:

倫理的判断(行動)の動機が利己的である場合、意思決定はリスクと報酬を図ることで行われます。倫理的な行動によるリスクが高い場合、あるいは非倫理的な行動によるリスクが低く報酬が高い場合は、道徳的な原則は便宜的なものに屈してしまいます。

 多くの人が試験でカンニングをしたり、履歴書に嘘を書いたり、事実を歪めたり、改ざんしたりしています。倫理観の真価が問われるのは、自分の利益にならないことでも、正しいことをしようとするかどうかです。

幸福の定義基準:

私たちが何に価値を置き、何を望むかによって、何が自分を幸せにしてくれるかが決まってきます。物質的な目標や肉体的な感覚を追求するのは自由ですが、それだけで永続的な幸福が得られることは(あったとしても)ほとんどありません。むしろ、孤独で無意味な存在になってしまうことが多いものです。

 道徳的に成熟した人は、お金、地位、セックス、気分を変えるサプリなどよりも、もっと偉大なものを追求することで幸せを感じます。

より深い満足感は、世界中の人々が行動に反映させるべきだと信じている価値(普遍的な倫理価値)を尊重することにあります(以上)

要するに、自らの理念に基づいた信念とそれに裏付けられる行動の一致こそが、本当の幸せの基盤なのかもしれません。

この様な基準を脅かす原因は、5つに集約されるとMAXWELLは言っています。

それは、倫理観を失った人が陥りやすい5つの要因(圧力・快楽・権力・プライド・優先順序)です。
(つづく)