倫理リーダーを育てる(23)◉あなたは人からどのように扱われたいですか?

#23

あなたは人からどのように扱われたいですか?

(騙されたくない)

「人と接するときは、まず理解しようとし、次に理解されされることが大切」

でも、他人が自分をどのように扱うかに関しては、何よる「誰からも私を利用して欲しくない」、つまり、騙されたくないと言う思いがあるのではないでしょうか。

特に知人が自分の利益のために、私を一時的に利用していたことがわかった時は、悔しさを超え自分の浅はかさと知人の気持ちに、衝撃を受けたことを思い出します。

特にビジネスを効率よく利益を上げなければならない現下の組織では、合意したのだから、契約に違反していないからといった、当初から詐欺に近いビジネスを仕掛けているケースが見受けられます。

しかし..

コンサルティング会社で有名なマッキンゼー&カンパニーのMarvin Bowerは、どのような時にも「クライアントの利益を会社の利益よりも優先させ、クライアントへの価値が報酬を上回ると予想される場合にのみ、仕事を引き受けた」といわれています。

そうです、初めからクライアントに明確な利益(価値)を生み出せない場合には、その仕事を請け負わないということです。この仕事を請け負えば、数十億或いはそれ以上の売り上げが見込めるようなビッグディールであっても、クライアントに明確な価値をもたらすことができない案件は断ったのです。

ICTシステムやそのソフトウェア開発の案件には、そんな依頼案件がゴロゴロしています。

コロナ禍のシステム化は安全に業務対応するために、IT化の導入が必要になっています。そしてそのシステムには、最近の言葉を借りれば「UXやCX」といった、ユーザや顧客の満足を実現する対応が求められてきます。でもそこには、誰も経験したことのないオペレーションを迅速にシステム化しなければならないといった、難しい対応が求められるのです。

システム開発には発注側と受注側の相互の合意が当然求められます。でも合意が取れたからといって、初めから上手くいかないと思われる開発を受注し、納期までに依頼内容の仕様に基づいた納品物を開発提供することは、法律に反してはいないからといって安易に受注することは、倫理的な視点からいかがなものでしょうか。

皆さんはどのように思われるでしょか?

先ほども回線障害や負荷によるトラブル、使い勝手の悪さが見て取れる「リモート授業システム」が、ニュースに取り上げられていました。使えないと判断した家の子供たちは、登校することを余儀なくされたようです。

本当に仕様内容の補完が足りなかったのか、見落としたのか、気づかなかったのか…。

いつの場合も、発注者側に問題がないと断言はできませんが、受注者側は問題をあらかじめ察知できていたのではないでしょうか。

それでよいわけがありません(つづく)