新型コロナに吹いた神風⁈

世界から見ると、日本のコロナ患者数は以上なほど少ない。それも対応が遅れ、施策が不明確であるにも関わらずだ。日本はダイヤモンドプリンセスに患者が発生したことからも、中国以外では世界に先駆けて患者が発生している。感染症のスペシャリストがいるにも関わらず排除し、にわか専門家に任せたにも関わらずである。
この理由は、世界から見ると正に「不思議な国」日本である。安倍首相の緊急事態宣言解除のスピーチでは、日本の対応策が世界的に認められる大きな功績ともいっていたが、何が良かったのかその理由がわからない。今後仮に「感染症対策の日本モデル」なるものがあり、それを世界に展開するとなったら、どんなモデルとして具体的に提供していくのだろう。

これはひとえに、「政府を信用せず、提供されたデータを鵜呑みにせず、未知のウイルスに対する理解と対処を、自分達自身で考え始めたから!」ではないだろうか。

メディア、特に日中のワイドショー番組は、正に新型コロナ一色。これでもかこれでもかとばかりに、政府の対応や判断そして指示に対して、多様な意見を展開した。在宅で自宅でテレビを見ている国民は、いったい何を信じて良いかがわからなかったのだ。したがって信じることができるのは自分たちだけ!自分たちで考え行動した結果、緊急事態宣言のはるかに前から自粛を行い、ステイホームをしていたのだ。確かにそうしなかった一部の人がいたことは事実だし、そう言った人が拡散して行ったこともわかってきている。

今まで日本人は、自分たちで考え行動することを表に出さず、政策や施策の批判ばかりしてきた。でも今回はそれが功を奏した。政府の対応が信じられない、データの根拠が不明、発表に一貫性がない、話がぶれる等々…コロナ以前から始まる官邸への一連の不信感が、未曾有の危機であるこの局面で、自分たちで考え行動することを選択させた。そしてそれが「不思議な国日本」にまた、神風を吹かせることとなったのではないだろうか。

でもこれらは、これから始めるであろう大変革の、鳥羽口に過ぎないのかもしれない。一人よりも二人。二人よりも三人寄れば文殊の知恵だ!違いを活かし違いを補完し、さらに良くするためにどうするかを考える。考えて行動し、間違ったら違う方法でやり直す。私たちの未来はこれらの繰り返しで出来上がっていく。

前の記事

社会システム課題