倫理リーダーを育てる(5)◉倫理問題の捉え方

◉倫理問題の捉え方

前回の最後に、経営には並外れた倫理観が求められる理由について言及したが、倫理は一般的に「規範がなく」「終わりがなく」「定義がなく」「責任を負わない」努力とも言える。結果はもちろん重要だけれど、むしろそのプロセスの在り方に焦点をあ立てる必要があるのではないだろうか。皆さんはどう感じているだろう?

3人でも5人でも10100人、物事のに対する捉え方、対応の仕方、許容レベルは千差万別だ。倫理問題に関しても同様で、これらの違いはは認知バイアスとして知られている。特に担当する仕事や立場、責任の観点による違いは大きく、その現象としての問題の見方・見え方が異なるために違いは起きてくる。

だからこそ、倫理的な問題が持ち上がった時の対応は、1人で判断し行動するのではなく、色々な視点を持つメンバーの意見を聞き、その上でリーダーである貴方が方針決定することが必要になる。

それには、意思決定の車輪(ホイール)を用いるとよいだろう。このホイールはD.Johnson”THE ETHICAL COACH LEADER” に先の倫理的世代モデルと倫理トライアングルが合わせて記載されている。さまざまな倫理問題がありますが、文中にはこのこの5の領域を6人のゴースト達がリードする、チャールズ・ディケンズのクリスマス・キャロルを思わせるストーリー仕立てで展開している。

倫理問題を5の領域(教育・経験・規範・環境・e情報)と、「+X(ex.時間軸や特殊要因等)」を加えた観点から考えてみて下さい。 そして、これらの項目を相互にそして全体から検証します。 e情報は過去の事例や同様なケースをネットから収集することも含まれます。

問題の解決を急ぐあまり、過去の経験だけで判断したり、あるいは規範にのみ準拠した対 応を行なったりすると、問題が一層成長して、後で悔やんでも取り返しのつかないことになりかねません。 

自分一人で考えることもリスクです。関係者に状況を正しく共有し、支援を求めることも重要です。色々な視点や考え、意見が求められます(続く)