倫理リーダーを育てる(4)◉ベンジャミンフランクリの13の美徳

前回の項の最後に、「経営には、人並みの経営力と、並外れた倫理観が必要だ」と、どなたかが言った言葉を添えたが、どうして「人並外れた倫理観」が必要とされるのだろうか?

清廉潔白、美しく生きる生き方の代表に、アメリカ建国の父と称される政治家・物理学者「ベンジャミン・フランクリン」13個の教訓がある。

ベンジャミン・フランクリンは、毎週ひとつの教訓をテーマに生活していたと伝えられています(by Wikipedia)。ちなみに1年間は52週間なので、13徳を1週間ずつ実行すれば、年4回のローテーションになるとも…

◉ベンジャミンフランクリの13の美徳

  1. 節制 頭や体が鈍くなるほど食べないこと。はめをはずすほどお酒を飲まないこと。
  2. 沈黙 他人あるいは自分に利益にならないことは話さないこと。よけいな無駄話はしないこと。
  3. 規律 自分の持ち物はすべて置き場所を決めておくこと。仕事は、それぞれ時間を決めて行うこと。
  4. 決断 なすべきことをやろうと決心すること。決心したことは、必ずやり遂げること。
  5. 節約 他人や自分に役立つことにのみお金を使うこと。すなわち無駄遣いはしないこと。
  6. 勤勉 時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使うこと。無益な行動をすべてやめること。
  7. 誠実 だまして人に害を与えないこと。清く正しく思考すること。口にする言葉も、また同じ。
  8. 正義 不正なことを行い、あるいは、自分の義務であることをやらないで、他人に損害を与えないこと。
  9. 中庸 何事も極端でないこと。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんすること。
  10. 清潔 身体、衣服、住居を不潔にしないこと。
  11. 冷静 つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さないこと。
  12. 純潔 性的営みは、健康のためか、子供を作るためにのみすること。性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしないこと。
  13. 謙譲 イエスおよびソクラテスを見習うこと(賢人の教えを見習うだろうか…)

これらをすべからく実行し、毎日の生活を送ることができれば、穏やかで清廉潔白な人生になるだろう。でもこれがその通りにできないのが悲しいかな現実だ。でも特に組織のトップにおいてはこうあって欲しい、あろうと日々努力をして欲しい。

並外れた倫理観が必要な理由

これは私なりの理解ではあるが、それは、倫理には万人が認める「正解が無い」からではないだろうか。だから、求め続けなければならないと

つまり、これといった規範が無い世界であるだけに、常に倫理的思考と行動をもって対応する必要が求められる。組織の長として常にあるべき姿を求め考え続ける必要があると。そしてその行動を草の根運動的に組織全体に染み込ませていく活動も求められるのではないだろうか(続く)