倫理リーダーを育てる(22)◉あなたは人からどのように扱われたいですか?

#22

あなたは人からどのように扱われたいですか?

(理解されたい)

米国で、2,000人の雇用主を対象に、過去に解雇した3人の人物とその理由を調査した結果、解雇した3人のうち2人は「人とうまく付き合えない」ことが理由だったことがわかりました。

私たちは、自分の思考や行動パターンに合わない人がいると、すぐにその人を非難し、時に嫌悪感を持って接します。しかし、相手のことを知ろうと努力すれば、相手のやり方が間違っているのではなく、やり方が違うことに気づくことがあります。これこそが私たち一人一人の価値であり、大切な個性です。自分の当たり前を、他の人が持っていないのは当たり前だし、当然その反応としての行動は異ってきます。あるいは、自分が知らない、コントロールできない条件や行動に、反応しているのかもしれません。

問題は問題を見る人の数だけ見方がある.. これは私自身の経験ですが、問題の本質を突き詰めていくと、問題全体の部分々を見ている(指摘している)ことから、その違いが起こることが殆どです。

逆に言えば、一人ひとりの見える問題、感じる問題の全てが、問題の全体像だと言えるのではないでしょうか。

なので、人と接するときは、まず理解しよう(聴こう)とし、そして理解されようとする(意見をいう)ことが大切です。そのためには、柔軟性と到達性のある態度が必要です。 

「誰かを正しく理解することは、その人から学ぶことであり、誰かから正しく学ぶことは、自分を変えることである」とは、グローバル倫理財団(Stiftung Weltethos)の会長、Hans Küngの言葉です。

とても深い示唆だと思いませんか?(つづく)