倫理リーダーを育てる(10)◉環境(状況・周囲)から考える

4番目は「Environment」です

環境(状況・周囲)から考える

ここではリサイクルや地球温暖化について、倫理的に考察するというわけではありません。

倫理的な問題が発生した時、組織を統率する法的機関、監督官庁や管理団体へも注意を払うことが重要であると教えています。倫理的ジレンマに影響を与える可能性のある社会問題や環境要因を、体現的に理解経験することはとても重要です。

もしあなたが倫理問題に対する知見が少ないのであれば、総務・人事部門に行き、既に確立されているポリシーに従うことで、法的な問題を避けることができます。もちろん総務や人事部門に、このような問題に対処するためのスタッフ、ガイドやマニュアルがあればの話ですが…。ビジネスや個人の環境は、倫理的な決定を追求する上で、特に法的な問題がある場合には重要な役割を果たします。

リスク管理の観点からも、あらかじめ想定したガイドラインを作成し、インパクトレベルや緊急度レベルの観点で、どういったレベルで問題を扱う必要があるか等を共有できるものがあると、一早い対応が可能になります。

また、問題が起きた組織(チーム)の未来と何より問題を起こした当事者の将来を考え、今後のためにいま取るべき対応を検討することが重要です。

間違いを認めた上で起こした間違いを糧に、その間違いを将来にどのように生かすことができるか、社会に何をもたらすことが可能なのかを、個人とチームレベルで検討することが求められます。起こしてしまった問題を、罪として重く伸し掛かけるのではなく、問題を起こさなければできない、或いは考えてみ見ることができなかった未来を想像できれば、こんなに素晴らしいことはありません。

失敗は成長の糧です。リスクはチャンスです。ネガティブな状況をいかにしたらポジティブな環境へと転換できるでしょう?

(続く)