迅速な意思決定&オペレーションのために #4

いま多くの企業でビジネススピードを上げる取り組みが行われているDX(Digital transformation)について、改めて考えてみると…

「社会環境の大きな変化の中で、従来の延長ではない新たな社会・ビジネス・個人のあり方を “速やかに” 再検討する必要がある」という前提の下、それらを実現する要件として「デジタルによる変革(=DX)」と、そのコンセプトを結実させるべき新しい統制手段として、デジタル・ガバナンス等を含む「新しい統制」の観点の両面から推進する機運が見て取れる。

企業&経営への迅速性は従来より言われているが、求められる俊敏性とその形態はゼロベースで検討することが求められている。これはSDG’sに代表される環境問題など従来にはなかった要因を取り入れてデザインすることが求められているからだ。

昭和から平成そして令和と、多くの制度やマネジメント手法が紹介され試され実装されてきたが、今回はAI&ICTによる産業革命と地球環境対応の、いわば2大要件を満たす取り組みに迫られていると言える。そういった意味からは、トライアンドエラーの試行錯誤を迅速に繰り返し、端境期であるこの時期における暫定的な最適解を都度都度検討し続けていく必要に迫られている状態ではないだろうか。

それは、従来からの組織免疫力が大きな壁になると言わざるを得ない。免疫力は敵からの攻撃から身を「守ろうとする力」だが、従来の習慣や文化においても同様に機能する。

我々一人ひとりが、コンピュータのバージョンを上げなければならない時が来ている。対応を怠ればウィルスに侵されるといった時代は遠に過ぎ、各人のマネジメントであるオペレーディングシステムを、或いは制度であるハードウェアを入れ替えなければ、時代に対応できなくなろうとしている。