迅速な意思決定&オペレーションのために #13(Agile-2)

2 DXがうまくいかない理由

デジタルトランスフォーメーション、つまりデジタルによる変容、デジタルによって変革することを意味しています。変容と変革は似ている言葉ですね。でもこれかなり異なるのです。まず変革は変化によって革新を起こさせるわけですが、間違ったら戻ることが可能です。でも変容は戻ることができません。一つのサイクルが終わるまで。芋虫から蛹になり蝶へと変わっていくプロセスがまさしく変容です。ひとつ前に戻ることはできないのです。つまりパラダイムシフトであり、従来の常識(あたりまえ)をも変わることを意味すると考えています。

つまり、ハンパな気持ちではできないということとも言えるでしょう。後には戻れないのですから、進むしかありません。

デジタル化とDXは異なるとか、デジタリゼーションとかデジタライゼーションとか、よくわからな所が多いのですが、要はコンピュータがもたらす社会基盤の変化ということではないでしょうか。いろいろご意見はあることと思いますが(^^;

で、どうして組織展開がうまくいかないのか?でしたね。

これには2つの理由があると思います。1つ目はDXの目的が明確にされていないため、組織でその意味を共有することができないことがあります。人は意味の共有ができない、つまりわからないとどうするでしょう。そう、自分の都合のよい自分で理解できることをし始めます。その結果、収拾がつかなくなり、予算とリソースを失い失敗します。

2つ目は、導入するためのベースができていないことにあります。つまりデジタル化のためのレディネスが整備できていないことによります。レディネスは準備状況といった意味合いですが、組織のデジタル化を行うための物事の数値化ができていないことが大きな理由です。売上や利益といった数字はそこそこ管理されていますが、数値化はそれでおしまいっといった組織が多いのではないでしょうか。

経営や営業、製造に必要な数値を、時系に見ることができていますか? お役さまからの信頼や製品やサービスの品質、社員の満足度など、数値化して検討しなければならないことはとてもたくさんあります。

そしてこの数値がどうなったら達成できたと言えるのか、現状の数値を目標数値にするためには、何をすればそれを実現できるのか…等々を組織で、チームで共有することがとっても重要なのです。この数値文化がない状況で、ただ闇雲にDXといったところで、大方の社員の方々はその活動の本質が理解できないことでしょう。

後段で改めてお話ししますが、日常の会話が数字で議論できる組織になってはじめて、その本来のDXが機能できるようになると考えています。