倫理リーダーを育てる(12)◉善悪を考える

6番目は「+x(正直さと誠実さ)」です

◉善悪を考える

この善悪を考えるは、倫理問題の全体を通しての基盤になるものです。

倫理的なリーダーとは、業務上の行動を規定する善悪の原則に沿って、許容される行動を他者と共有・指導する人を意味します。倫理的なコーチ・リーダーとは、接する人に話をし、進むべきゴールと行動へ誘う指導者です。

リーダーシップやマネジメントにはさまざまなスタイルがありますが、あるタイプのリーダーやマネージャーに従う人達には、倫理観がどのような影響を与えるのでしょう。

組織にとって重要なのは、マネジメントではなくリーダーシップであることは誰もが認めるところです。でも、いったいどのようなタイプの倫理的スタイルが組織に適しているのでしょうか?。これは、CEO(組織のトップ)と取締役会で議論し、答えなければなりません。世の中には多くの倫理規範があり、個人も企業もその倫理規範を遵守しなければなりません。

そして、倫理的なコーチ・リーダーをどうやって育てるのか?

これこそが、私たちが今日のビジネスで直面している真の問題です。先の倫理的世代モデルを見ると、次の世代に倫理の重要性を教えるのは、私たち一人一人にかかっていることがわかります。多くの人は、親の背中を見るように自分が接したことのあるリーダーやマネージャーから学びます。

今回紹介した”意思決定の輪”の、経験・教育・電子情報・規範、あるいは環境が彼らを育てるのでしょうか?

リーダーやマネージャーそして役員が、求める結果(特に目標数値の達成)を得たいがために、人々が不道徳や非倫理的なことをしてしまうという様なことが、何度もあったのではないでしょうか?。日々のニュースでは、非倫理的な行動によって問題を抱えた企業のニュースを聞かない日がないほどです。

倫理的リーダーシップのコンセプトは、このリーダーシップをどのように理解するか、そしてなぜ組織のトップに倫理的なコーチ・リーダーを置く必要があるのかを明らかにし、決定し、実証することにあります。

ほとんどの人が、自分が何をしているのかを倫理的な観点から考えさえすれば、避けられたかもしれない状況であることを知っています。

私たちの社会で倫理が失われていく過程を振り返ってみると、公や自分の指導者たちの非倫理的な行動を許し受け入れた時が、「間違ったことが許容されるようになる」道への第一歩となると言えるかもしれません。

「地獄への道は善意の石で敷き詰められている.. 」見て見ないふりをしたり、そのくらいだったら.. といった多めに見てしまう雰囲気が、大きな不祥事を引き起こすトリガーになるのです。

そして結局のところ、社会が公的な行動を容認したり、非難したりするものです。

正直さと誠実さは、人生で成功するために絶対に必要なものです。本当に良いニュースは、誰もが正直さと誠実さの両方を身につけることができるということです(ジグ・ジグラー )

「倫理的意思決定の輪」の5つの領域+oneは、一旦終えます。

次回に続く