迅速な意思決定&オペレーションのために #16(Agile-5)

5 進捗状況の共有

前回最後に出てきた「チームで状況を把握共有し、状況に即した協働を随時行う」ために、情報をオープンにし、問題の見える化を行い、課題解決のための協働を迅速に行うことが、これからの環境スピードに適応するためのコンセプトです。

状況情報を全員で共有しないのであれば、それはチームではなく、単なるグループです。

全ての(数値)状況をオープンにし、現状を踏まえた新たな数値目標を設定し、そのために各チームで何をすればそれが実現可能かを検討→実験→実施→判断(評価)するサイクルを回し続けることで、見えないものが見えてきたり、新たな目標を設定することができるようになります。

そこには、個人プレーはありません。以前にもお話ししましたが、個人の思考には限界があります。ここでは使い古された「相乗効果(シナジー効果)」を、本当の意味で必要になっています。「相乗効果を発揮しなければだめだ!」と言いながら、必要な情報は特定の人しか持っていないといったことはないでしょうか?。一人ひとりが共有した情報は、全員その捉え方が違っています。同じように感じるのは、自分の経験に照らして考えているからに他なりません。今は自分が経験した時と、以前成功した時の状況とは同じではありません。だからこそ違った経験を持った異なる視点の人の意見を、自分の考えに相乗りさせることで、その状況に最適な課題設定と目標が共有できるのです。

進捗状況も、共有されなければ単なる管理作業です。進捗情報として数値化され、目標数値とのギャップを埋める施策を考えなければ、進捗は遅れる一方です。売上の目標における達成進捗情報であれば、期末までに残された日数で、必要な売上を達成するためにどうするかを、営業部だけでなく関係者全員で議論検討することで新たな選択肢が見えてきます。それができなければ目標は単なる「画餅」に過ぎません。