【緊急】緊急時の意思決定とリーダシップ「5原則」
企業がコロナウイルスのパンデミックに、リーダーが賢明な意思決定を迅速に行うために従うことができる5つの原則を次に示します。先の見えない中で、リーダーに求められる大胆な決定を迅速に行うための原則です。ご参考まで。
1. 一歩下がって見る
まずは落ち着くこと(深呼吸しよう!)。ステップバック、つまり一歩下がり、または少し高いところから眺めてみる。在庫を確保し、予測し、優先順位を付けることは、直感に反するように思えるかもしれませんが、これは不可欠です。調査によれば、わずか50~100ミリ秒の一時停止でさえ、脳は最も関連性の高い情報に集中することができます。
意思決定者が平常心を保つことができるいくつかの方法があります。
- 一旦チームメンバーに考えさせる間に、より広い視野を持つよう努める
- ラグビーの監督のように上から全体を観察してみてください。「バルコニー」の視点です。 より広い視野を取るために最善を尽くしてください。そして、
- あなた自身とチームにこれらの質問をしてください:
いま最も重要なことは何ですか?
何が欠けているのか(逆に過剰なのか)?
ここからはどのように展開するだろうか?
物事がどのように展開するかを予測し、それに応じて行動する能力は、悪い結果を回避するのに役立ちます。色々な事態が一斉に起こり始めます。最初に発生した問題を一旦横に置き、優先順位を付ける必要があります。何が重要か緊急なのか、患者同様、問題にトリアージをつける必要があります。
2. より多くの人々を巻き込む
危機がもたらした不確実性のなか、首脳陣はしばしば秘密裏に大きな決断を下し、最高権力者に権限を制限したいという衝動に駆られます。でもそうではなく、より多くの関係者を巻き込み、異なる見解や議論を促す必要があります。
これは、一見意思決定に遅れを生じるように感じられますが、結果的に効果的で賢明な決定につながります。
実際には、意思決定者と主要な専門家がテーブルを囲む、チーム方式(ビデオ会議でも同様)で実施しますが、オープンに公開方式で行う方が良いでしょう。更に違った意見を得ることができます。見える化しているため、会議の終了時には共有が行われており、協働に素早く移行できます。
より多くの人々を巻き込むためには、以下のステップが必要です。
- 決定事項を明確にします
- 関連する利害関係者および専門家を含む、発言権を持つべき人物、および意思決定者を特定します。
- 誰にでも発言権のある、迅速な討論の場をつくる。
特に、今回のコロナショックのように経験が無く不慣れな状態であり、検討している事柄や決定事項が大規模な場合には、意思決定者が何かを見落とさないようにするために、多くの視点が必要です。
例えば、今日の危機的状況では、廃棄物管理者のサービス需要は大きく変化していると思われます。 家庭ゴミは増え、オフィスビルやレストランは減少しています。 こういった企業は、需要の変化にどう対処できるのでしょう。 この決定には、現場の従業員と行政、自治体などを含む、幅広い利害関係者が参加する必要があります。
3. 重要な小さな意思決定
危機が発生するにつれて、リーダーが短時間に行ういくつかの小さな選択は、長期的には非常に大きなものになる可能性があります。 それらを見極めることは容易ではありませんが、リーダーはそれらを見極める必要があります。
今回のコロナウイルスに関連する例では、Netflixは一部の場所で低解像度ストリーミングに移行し、情報ネットワークへのデータの負荷を軽減しています。 ほとんどの人は品質の違いに気づきませんが、この決定は回線をクラッシュさせないために、非常に重要な決定です。多くの人が自宅で仕事をし、子供たちがインターネットで勉強をする場合、回線障害は大きな問題です。
リーダーが重要な小さな選択をするために取ることができるいくつかのステップがあります:
- 時間の経過とともに物事がどのように展開するかについて、考えられる複数のシナリオを検討します。事態が流動的であるため、あらゆる状況とそのシナリオを予測することは、何が起こるかを考える上で非常に役立ちます。
- 予測シナリオから、現在行う必要がある5~10項目のアクションのリストを作成します。 6ヶ月先を考えて現在取るべき事柄を検討し、それが6ヶ月先にどう展開できるか(影響を及ぼすか)、バックキャスティングとフォワードキャスティングの両面からその行動を検討します。
- 将来の差別化要因となる場合に備えて、今取り組むべき小さな決定や行動を特定してください。
今日これから何に時間をかけますか?
何を見て結果を判断し、どの様に検討する必要があるでしょうか?
これらの決定は、業種業界により各社さまざまです。
4. 緊急対策室を設定する
リーダーが熱狂的すぎる場合、彼らは誤った判断をする可能性があります。 対策室を設けると、リーダーが戦術的な決定よりも戦略的な決定に集中できるようになります。
戦略的な決定には、不確実性が高く状況が変化する可能性が高いこと、コストと効果を評価ができないこと、そして多くの状況対応を伴います。
戦術的な決定は、明確な目的、低い不確実性、および比較的明確なコスト効果を伴います。 戦術的な決定が重要な場合もありますが、多くの場合、問題を迅速に対応するために、現場スタッフに任せた方がよいでしょう。
現場のリーダーが戦術的な決定を下すことを確実にする1つの方法は、タスクフォースとしてプロジェクト化することです。 危機的状況では、多くのタスクフォースが設置されますが、いずれも完璧ではないことを認識する必要があります。
5. リーダーに判断と権限を与える
適切な判断と権限を持つリーダーの存在は、不確実な時に必要です。 今回のコロナショックの様な戦時下には、評論家ではなく、決定し行動する力が必要です。
彼らは好奇心と柔軟性を併せもち、難しい決定をすることができます。
彼らは、完全なコンセンサスを必要とせず、組織の利益を念頭に置き、異なる視点による情報を収集し、意思決定を行います。 委任された権限内での決定については、最も難しい問題のみをトップにエスカレーションします。
リーダーを選ぶときは、次の3つのことをできるだけ多く実行した人を任命できれば、不確実な状況での可能性を高めます。
○ 危機(個人的または専門的)を経験し、機転をきかた対応を示す
○ 反対があっても実施する強い信念を持って、厳しい決断をする
○ 聞きたくい指導者を超え、指揮系統の上流に真実を与える
組織内で3つの基準をすべて満たすリーダーを見つけるのは難しいですが、どれも満たさないリーダーに権限を与える場合は注意が必要です。
完璧をはスピードの敵なので、完璧を目指して努力すべきではありません。 間違いを犯しそこから学びます。 例え反対意見や人気のない選択であっても、正しいと思う判断をしてください。
やるか、やらないか…
前例のない危機は前例のない行動を要求します。 必要なのは、平時に危険すぎると感じる大胆かつ迅速な行動を取ることです。
全米バスケットボール協会は早期にシーズンを閉鎖し、他のスポーツが同様の行動をとることを決定しました。 アップル社は、新型コロナウイルスに対応して世界のほとんどの店舗を閉鎖しました。
不確実性の中での意思決定は容易ではありません。ビジネスリーダーは、今ほどの速い変化に待つ余裕などありません。
ここにご提案する“緊急時の意思決定とリーダシップ「5原則」”は、リーダーがこの危機から迅速な意思決定を行い、組織を導くために役立つと信じています。